労働問題

中途採用されたがノルマが達成できず解雇された。この解雇は許される?

この記事でわかること
  1. ノルマが達成できないことを理由とする解雇は許されるのか?

【事例】

Xさん(40代・営業担当)は、ある会社Y社に即戦力として中途採用されました。Xさんは、3か月の試用期間経過後(入社して5か月目)に会社が課したノルマを達成することが出来ませんでした。

そこで、Y社は、ノルマを達成できなかった(営業成績が不良である)ことを理由に、Xさんを解雇しました。

このようにノルマが達成できないことを理由として解雇をすることは許されるのでしょうか?
それとも不当解雇なのでしょうか?

Q. 解雇することはできるのか?

ノルマが達成できなかったというだけでは解雇することはできません。

一般論として、会社側、従業員の勤務成績又は業務能率が著しく不良であり、指導による向上・改善の余地がなく、他の職務にも転換できない等就業に適さないときには解雇できます。

したがって、ノルマが達成できなかったというだけでは、解雇することは許されません。

例えば、Xさんの勤務成績又は業務能率には改善の兆しが見え始めていた場合やXさんの勤務成績又は業務能率が向上の見込みがある場合などは、解雇事由には該当せず、不当解雇と評価されることになります。

もちろん、会社側が何ら指導を行わず、改善の機会を付与していない場合にも不当解雇になる余地があります。

ノルマが達成できていないことや、成績不振などを理由に解雇を打診された場合、当該解雇が不当解雇に当たらないか慎重に判断する必要があります。

自分の努力や成績の変化、会社からの指導、アドバイスについてきちんと整理をして考えるべきでしょう。

もし、納得できないのであればその旨を会社に伝えたり、解雇の同意書などにはサインせず、専門家である弁護士に相談することをオススメします。